同性愛者であることを理解されず、父からの暴力に耐えかねて家を飛び出してきた海。 東京という雑多な人種が集まる世界で、海はようやく息をつける場所を見つけていく。 しかし、海を追ってきた父は何者かに危害を加えられ、生死の境を彷徨うことに…。 過去と現在が交差する記憶の中で、海が見つけた確かなものとは――? マイノリティの家族間の愛憎を、繊細な筆致で描き出す意欲作!